流星の絆・・・

東野圭吾の「流星の絆」という小説・・・・

ハヤシライスが売りの店で、店主とその妻が殺される。

その夫婦の子どもたちの固い絆が描かれたミステリー。

子ども達の父親が作るハヤシライスのレシピが、殺人犯によって盗まれたのではないか・・・と

犯人を探し出そうとするストーリーだが、

話の結末として分かったのは、殺人犯とレシピを持ち出した人間は別人であり、

子どもたちが慕う父親は、ハヤシライスの味を守ってはいても

ギャンブル好きが高じて、レシピを売ろうとしたことが分かった。

父親は美味しいハヤシライスを作る料理人であったのに、商売には関心がなかったのだった。


レシピを持ち出した人間は、美味しいハヤシライスを作ろうと日夜研究し続ける仕事熱心な料理人だった。

真面目な仕事熱心な人間だ。だから、商売を広げて成功した。

ただ1つ後ろ暗いことがあるのは、ハヤシライスのレシピを自分で作り出せなかったことだ。


酷なストーリーだが、兄弟の絆が救いとなる話だ。


また、このストーリーでは、身寄りのない兄弟が世間の冷たい風に晒され、不幸にも騙され、

関係ない人を騙し返す。詐欺をはたらいてしまう。

話の結末では、その過ちに気づいて償うことを誓う。

だから、読後に嫌な気持ちが残らなかった。


まっとうでない現実に直面した時、筋を通して立ち向かう方法を知っていたら、

関係ない人に報復するという過ちを犯さなくて済む。

筋道を立てて考えることが大事だ。



「美味しいもの」を作ることだけに関心を持っても駄目だ。

「美味しいもの」を作って、利益を得て、家族を幸せにしたり

共に働く人とその家族を幸せにすることを考えるのは大事なことだ。