遺骨が宅配便で送られて来たという話

忘れてしまう前に書いておこう。

伯母の家に遺骨が宅配便で送られてきたそうだ。

誰の骨かというと、伯母の義理のお姉さんの。

この人は、看護師として大阪で働き、生涯独身だったそうだ。

友人とマンションを購入して暮らしていた。

白血病で亡くなったという。

伯母とは親戚付き合いをしていなかったが、

遺骨が送られてきた。

伯母は家の墓に納骨したそうだ。


とにかく、遺骨が送られてきたから驚いたそうだ。

亡くなった人も、自分の骨がどう扱われるか知らなかっただろう。


人は死んだらどうなるか、死後の世界はあるのか等と話題になることがあるが、

その前に、死んだら遺体をどのようにしてほしいかと

元気なうちに考えておいた方が良いなと

この話を聞いて思った。


数年前、

「私の遺骨は散骨してほしい」と

私は夫に言ったことがある。


その時は、ホントにそう思っていたし、

あまり長生きしたくなかった。

「もしも病院で亡くなったら、病院から火葬場に直送してほしい」

なんてことも話したことがある。


でも、どこでどんな風に死ぬか選べない。

長生きできるかもしれないし、

誰も居ない所で死んで、誰にも気づかれずに腐敗するかもしれんし、

どうなるか分からない。


ホント、死んだらどうなるんだろう。

伯母が、送られてきた遺骨を寺へ持つて行き納骨したと聞いて、

もしも、遺骨に魂の欠片が残ってるとしたら、

「大阪から帰ってきた」

と言ったかもしれん。


伯母の亡くなったご主人の魂が待っていたとしたら、

「姉様、帰ってきたの」と出迎えたかもしれん。


そもそも魂があるかどうかも分からんけど、人は遺骨を粗末に扱えないようだ。

見ず知らずの他人であったとしても、

お墓を作って手を合わせるものだろう。


伯母の義理のお姉さんは、多分、同居していたお友だちが見送ってくれたんだろう。

その方法が、宅配便だった。


宅配便を受け取った伯母は驚いたが、戸惑いながらも納骨した。


死んだら遺体はどうなるのか?

心配しなくても、なるようになるのかもしれん。


・・・わたむし(妻)