僕のワンダフルライフ


夫がツタヤから借りてきた。

犬が何度も生まれ変わり、元の飼い主と巡り合うという話。

犬好きの夫は、見終わると「期待はずれだった」と言った。

私は楽しめた。

この映画のテーマが何なのかは分からなかった。

犬と人間との絆がテーマなら、犬が生まれ変わる描写は軽いかも。

死んでも生まれ変われると分かっているなら、命の重みも感じられない。


「僕のワンダフルライフ」について検索していると、原作小説があると分かった。

原作の方がテーマがはっきりしているようだ。


原作のファンは映画を見てがっかりしたかもしれん。


この映画では、死んでも生まれかわるという転生が描かれている。

人は死んだらどうなるのだろうという答えのない問いがある。

死ぬことと生きることを考えると、答えがないが、今は生きているのは間違いない事実だ。

ただ、死んだらどうなるか見通しが立たないというだけ。


この映画では、当たり前のように死んで生まれかわるが、

生まれかわりがないと思う方が、「今」を大切に思えるんじゃないかな。


映画を見る前に、オウム事件の振り返り番組を見たからそう思うのかもしれん。

オウム真理教では、邪魔者を殺すのを正当化する「ポアする」という言葉があった。

今生で罪を重ねるのを防ぐために殺すのが「ポア」のようだ。

だから、大量殺人は、多くの人を救うことになるという、罪の正当化になる。

オウム事件を起こした人たちは、「生まれかわり」の仏教的な考え方を悪用している。


そんな理屈を信じてしまうなんて、どうかしている。


脱線したけど、「僕のワンダフルライフ」はそれなりに面白かったが、

話の中の「生まれかわり」について考えるとモヤモヤするのだった。


・・・わたむし(妻)