サイコパス 中野信子
この本によると、100人に1人くらいの割合でサイコパスはいるそうだ。
サイコパスは恐怖を感じにくく、他人が悲しんでいたり苦しんでいたりしても心が動かないという。
みんなが当たり前と思っているルールを破っても平気だし、自分が得をするように抜け道を見つけ出しても当たり前と思っている。
ママ友たちのボスとして、グループを仕切り、人間関係をコントロールするとか、
会社の上層部にいて、社員をコントロールしていたり、
ブラック企業で社員から搾取したりと、
いわゆる「勝ち組」として位置する者の中にサイコパスは少なくないそうだ。
魅力的な人だと思って仲良くなったら、その人がサイコパスで、
手のひらを返したように冷淡な扱いを受けたり搾取されたりすることがある。
100人に1人くらい、他人を傷つけても何とも思わないサイコパスがいるのなら、
常に、どこでも、いじめや搾取の対象になり得るという怖さがあるのだなあと思いながら読んだ。
本の終わりに、「あいつは遺伝的に危険だ。排除すべきだ」という風潮になるのは危険だという一文があった。
でも、サイコパスとの共存についてはあまり書かれてない。
この世には、「反省できない人」「罰を恐れない人」もいるという事実を認めなくてはならないという内容には納得した。
子どもたちのいじめについて、加害者が反省していないと聞くことが多いが、そこに、「加害者は他人の痛みが分からなくて、悪いことをしているとも思っていない」という事実をありのままに受け止めると、納得できる。
学校にも会社にも必ず、他人の痛みが分からないサイコパスがいるものなのだと受け止めると納得できる。
加害者はさっさと加害の事実を過去のものとして忘れていき、被害者は何年も苦しみ続けるわけだが、
そんな不条理が起こる危険があると分かった上で、用心していた方が良いのだなと思った。
・・・わたむし(妻)