勘違いしていた言葉「目くじらを立てる」

日経新聞今野敏さんのエッセイを読んでいて、ちょっと気になる言葉があった。

電話セールスを嫌う今野さんが嫌う理由を書いた上で、関係の仕事に就く人も読み手であると意識し、「目くじらを立てないでいただきたい」とも書いている。

私は、この「目くじら」という言葉を眉間のしわだと思っていた。

嫌な気分になった人が眉間にしわを寄せ、その形が海を泳ぐクジラに似ているとイメージしていた。

目の近くにクジラの形が現れるから「目くじら」だと思っていた。

しかし、国語辞典を引いてみるとクジラではないと分かった。

「目くじら」は「目尻」を意味する。

「目くじらを立てる」は、国語辞典によると「他人の欠点を探し出し、小さなことを取り立ててとがめる」という意味になる。

目尻を吊りあげてネチネチと小さなことをあげつらっている様子のようだ。


であるなら、「目くじらを立てないでください」と言われたとしたら、

粗探ししないくださいという意味になるのかな。


私は、長い間、「目くじらを立てる」を「怒る」とか「不快に思う」という意味だと思いこんでいた。

「小さいことで責めている」という意味なんだなぁ。


小さいことで責め立てる人の表情は、きっとたれ目ではなく、キッと吊り上がった意地悪顔なんだろう。



・・・わたむし(妻)