ダンダリン

ドラマを見て、ロケ地下落合を見てみようという取り組みでドラマ「ダンダリン」を見た。

南三条さんの家が下落合で撮影されたという。

家の外観だけ?

室内はセットかな?

ドラマの中で、南三条さんの規則正しい生活が印象に残ったのは、やはり落ち着いた家があるからだと思った。


ところで、放映されていたときにダンダリンのストーリーは少し極端な内容だと思っていたが、

見直してみると、ドラマより現実の方が過酷だなと思った。

第一話では、残業続きで疲れた会社員が自殺未遂する。

現実では、過労自殺は珍しいことではない。

鉄道での人身事故はある。

ドラマのように踏切内に入って、怖くなって逃れたというケースは、

珍しくないだろう。


土手山課長は、毎日新聞で労働問題に関わる記事に赤丸を付けていた。

記事は小さいが、どれも働く人が危険に晒されている内容だ。


楜沢という若い社労士は、法律の抜け穴を見つけ出し、労働者からお金を搾取する経営者に協力する。

お金のために人を粗末にするやり方が毎回繰り広げられ、段田たち監督官が正すという単純なストーリーだが、

現実の方が過酷だからか、やっぱりドラマなんだと気楽に見ることができた。


現実の方が過酷だ。

最終章で、南三条さんが女性にワイセツな行為をしたと濡れ衣を着せらせ逮捕される。

現実では、やはりそういう陥れ行為は珍しくないと思う。

事実と違う噂話を流すというやり方のイジメや嫌がらせは、警察沙汰にならない程度に行われ、

被害者が自殺してから表に出ることがある。

自殺に至らなくても、噂が蔓延し職場に居づらくなったり、非正規雇用だとそれを理由に契約更新されなかったりする。

職業人生命が断たれてしまう。そんな卑劣なことをやる悪意ある人間は珍しくない。


ドラマの最終章で、段田も監督官として死んでくれと辞職を迫られるのだが、

現実には、段田と同じ立場に立たされる人は珍しくないし、段田のように救われはしない。


やっぱドラマだし作り話だなと思うが、救われる段田、南三条、楜沢を見ることで、

人の善意が悪意に勝利したような良い気分になれた。


・・・わたむし(妻)