新春ドラマ「坊ちゃん」
明治時代の話だけど、現代の話のようにも感じた。
英語の古賀先生が延岡に転任するにあたり送別会をするのだが、誰も古賀先生との別れを惜しまず酒飲んで楽しんでいた。送別会という名のお楽しみ会。
古賀先生が居なくなっても、代わりの人が入ってくる。職場は何も変わらない。ただ赤シャツ教頭が古賀先生を追い出してせいせいしているだけ。
古賀先生の父親が亡くなり、経済的な問題が発生し古賀先生の母親は古賀先生の昇給を望んでいた。古賀先生とマドンナは恋仲だったが、赤シャツ教頭がマドンナの両親に求婚し婚約成立。古賀先生は身を引いた。
赤シャツ教頭は、古賀先生の母親の望みが叶う方法として給与の高い延岡の学校への転任を提案したのだが、古賀先生をマドンナから遠ざけるための提案だった。古賀先生はお金のために延岡へ行くことになる。
合法的に邪魔者を消すことができる。昔も今も同じだなぁと思った。
ドラマの終わりには、主人公・坊ちゃんとその上司は濡れ衣を着せられて辞職する。赤シャツ教頭は、自分に従わない二人の辞職を喜ぶ。
誰も二人の無実を主張しない。
新聞は事実と異なることを書き立てていた。
生徒はと言えば、こそこそと悪戯をしたり先生を痛めつけたりして憂さ晴らしをしていた。
昔も今も変わらないんだなぁ。
辞職した主人公・坊ちゃんは実家へ帰るのだが、家族は一人も登場しない。ただ手伝いの清が笑顔で出迎える。
ドラマでは、それが幸せな光景として描かれていたが、寂しいことだと私は思った。
「坊ちゃん」は、悪がまかり通る話だった。
赤シャツ教頭のような小悪人は、どこにでも居そうだ。自分の利益のために平気で人を貶めたり騙したりする。
どこにでも居そうだし、自分に害が及ばないなら悪事を容認してしまう傍観者が取り巻いていて、とても嫌な感じがした。
清だけは味方だと言える点はホッとする内容だと思った。
・・・わたむし(妻)