フラッタ・リンツ・ライフ
クリタも他の戦闘機乗りと同じキルドレ。
キルドレは思春期で成長が止まり老化しない。死と隣り合わせの戦闘機乗りという仕事が生きる道だが、
負傷して飛行機に乗れない体になることもあり得る。
キルドレは死なないのではなく、衰えない体を持っているのであって、致命傷を負えば死んでしまう。
不死身ではない。
普通に老化する体になった草薙は、戦闘機に乗れば疲れるし、容貌も衰える。それが普通なのだが、
衰えれば戦闘機に乗れなくなる。引退しなくてはならなくなる。これも普通のことだ。
このように第二の人生について考えなくてはならなくなった草薙が描かれている。
年をとって定年退職してから、どのように暮らしたら良いかイメージできない人がいるだろうし、
自営の人は、いつまで現役で働けるだろうか、生涯現役で活動したいと願う人もいるだろう。
誰にでも「死」という終着点があるが、どのように生きていくかは様々だ。だから、「生か死か」という二色ではない。
キルドレでなくなった草薙は、戦闘機乗り、管理職という二足の草鞋を履いた状態になる。なかなか戦闘機乗りを止められない。
その気持ちは、分かるような気がした。
キルドレのまま出世欲や支配欲を持って管理職になったら恐ろしいことになると思った。
ふと、自分が出会った管理職を思い出した。嫌な人もいたなぁと。
「フラッタ・リンツ・ライフ」では、クリタが愛情について考察していた。クリタが草薙への愛情を実感する描写には感動した。
こんな表現があるのかと感動した。
・・・わたむし(妻)