「ハケンの品格」印象的な台詞

ハケンの品格」を見終え、お店に返却した。
 
 
ドラマを振り返って、印象深く思い出される場面は、
 
主人公・大前春子が二度目のリストラに遭い涙する場面だ。
 
大前春子は一年ほど魚河岸で働き、職場に慣れ、
 
人間関係も良好で、仕事も身に着けていた。
 
しかし、雇い主の都合で突然辞めさせられた。
 
春子は、マグロ解体の師匠ツネさんに抱えられるようにして泣く。
 
「ずっと居られると思ったのに・・・」
 
泣きながら言った。
 
この場面と言葉が印象的だった。
 
 
 
私もそう思いながら職場を去ったことがある。
 
雇い主の都合で簡単に辞めさせられる調整弁が非正規労働者だ。
 
私は、何年も前のことなのに昨日のことのように思い出す。
 
人手が足りてないときには、「がんばって」とか「よろしく」とかと言われ、
 
辞めさせるときには、簡単に首を斬る。
 
次の仕事の世話もない。
 
 
あの頃、12月には「がんばって」と言われていたのに、1月には手のひらを返したように
 
「契約更新はしません」と言われたのだった。
 
「なぜですか?」と問うと、
 
「あなたは正職員ではないから」「ご主人がいるじゃないですか」「この仕事にこだわらなくても、他にもあるでしょう」と言われたと記憶している。
 
 
 
大前春子のように、自ら契約更新はしないというルールで働いていたら、
 
雇い主に更新の期待も何もしないから、「ずっと居られると思ったのに・・・」と残念に思わないだろう。
 
 
何年も契約更新して働き続けてきたら、ずっとそこで働き続けられそうな気がして、
 
頑張って働く。
 
けれども、「あなたは正職員ではないのだから・・・」という分かり切ったことで、当然のこととして首を斬られるのだ。
 
非正規職員を人事権を持つ人がクビにしても、法律違反でも何でもない。
 
 
ハケンの品格」はドラマだから、現実離れしているけれど、
 
雇い主の都合で首を斬られるより、自ら任期のみ働くと決めていた方が傷つかない。
 
 
2度のリストラで会社を信じなくなった大前春子が、愛おしく感じられるドラマだった。
 
見て良かった。
 
 
・・・わたむし(妻)