買えなかった本
コンビニの雑誌コーナーで、
おいしそうなトーストが紹介されている本を見つけた。
真似て食べたいと思い、その本を買おうとカゴに入れた。
その他にも商品をカゴに入れてレジへ行った。
精算はうまくいかなかった。
トーストの本にバーコードがついてなくて、
レジを担当した人が慌てていた。
近くにいたスタッフに尋ねても、
「無料商品なのでは・・・」という答えで、
私の目の前でレジ担当者は慌てたままだった。
私は、値段を確かめずに本を買おうとしたことを反省した。
で、
「それ、買わなくていいです」
と私が言うと、レジ担当者は、ほっとしたように、
「良いですか」と言った。
その本は、壁際に置かれた。
あの本は、売り物ではなかったのか、何だったのかという疑問が残り、
変えなかったという残念な気持ちも残った。
あの本のことを確かめたいという衝動を抑えているという気持ち悪さがある。
・・・わたむし(妻)