三連水車

豪雨被害についてのニュースを見ていて、

気になっていた三連水車が無事だと知った。


私が三連水車を意識したのは学生の頃。

写真をとってスライド番組を作るという課題があり、

私は浮羽と朝倉の史跡巡りをして作成した。


最初に、浮羽町の歴史資料館へ行った。

資料を元に、写真をとる場所を選んだ。

大石堰、袋野堰、長野水神社、農業用水、平川家民家、三連水車などを撮影した。

三十年以上前、郷土史の知識があったわけではなく、

漠然と、浮羽と朝倉を紹介する番組にしようとしたら、

水に関わる場所や民家を撮影することになった。


三連水車については、とても印象に残っている。

水は低い所に流れて行ってしまう。

大きな川があっても、その水を利用するのは難しい。

田畑へ水を引くには、水の流れを変えたり汲み上げたりしなくてはならない。

三連水車は、低い所に流れる水を水車で汲み上げるという優れた技術。


当時の撮影では、水車の周りに大きな建物はなく、

耳納連山を背景にして、のどかな田園風景の中に三連水車をおさめて撮影した。


スライド番組を授業で発表すると、

もっと見ていたい、きれいな所だなという感想をもらった。


このスライドは、残念なことに先生から返してもらってない。

だから、行方不明だ。

けれども、思い出そうとすれば思い出せる。

学校の課題として取り組んだだけだが、

良い思い出になった。


若い頃は、ちょっとしたことで苦しいなと思っていたが、

良い思い出もたくさんあるようだ。

その一つが三連水車の撮影だ。


水の流れを利用して水車を回し、水車に取りつけられた升で水をすくい上げ、

農業用水として流して行く。

水の恵みを広げる昔の人の知恵が今も生きているのが三連水車。


豪雨で流されているのではないかと心配していたが、無事と分かり

とてもうれしかった。


・・・わたむし(妻)