デパートの友の会
ネットニュースで、今、デパートの友の会に問い合わせが相次いでいると知った。
銀行にお金を預けても利息がほとんどないが、友の会なら特典があるからお金がお金を稼いでくれるのではないかということで、入会の問い合わせが増えているらしい。
これを夫に話してみた。夫は運転中にラジオを聞いて知ったそうだ。
夫との会話で、私は、「デパートで買い物をする人じゃないと友の会に入っても使い道がないよね」と言った。
私は、デパートのパン屋で買い物をすることはあるが、その他は「ちふれ化粧品」を買うだけだ。
それ以外は買わないと決めている。デパートのパン屋では一度も嫌な思いをしたことがない。
「ちふれ」のカウンターでもそうだ。
私は、根に持つ嫌な性格らしく、若い頃の経験が根深く残っている。
学生のころ、ダンスの授業があり、先生から大丸のチャコットでレオタードを買うようにと言われた。
友人が、ジャージでは?と問うと、駄目だと言われた。言われるままにレオタードを買わないと単位がもらえないのではないかと思い、友人たちと大丸へ買いに行ったのだが、この出費は痛かった。
今の自分だったら思う。先輩に頼んで使わなくなったレオタードを安く譲ってもらえば良かったのにと。
大丸でよく買い物する人間だったら、「あれは高かったな」と思うことなく、普通に必要なものを買ったと思ったのかもしれない。当時の私は、高い買い物をしないと授業に出られないということに傷ついた。デパートで傷ついた。
また、洋服売り場でブラウスを探していて、自分の欲しいものと自分の予算を店の人に告げたら、そのようなものはないと言われたこともある。心がヒヤリとしたのを思い出す。
嫌なことを思い出すからか、デパートの商品券をいただいても使うことはない。
特別な目的がなければデパートへは行かない。行かないから楽しい経験もしない。だから行かないというパターンになっているみたいだ。
ただ、焼き立てのパンとちふれ化粧品だけは安心して買い物できる。が、そのために友の会には入らない。
デパートの友の会はお得だそうだが、私には無縁だ。
お金がお金を呼ぶというものが、私には無縁のようだ。
・・・わたむし(妻)