九大病院生体解剖事件

先日、NHKで九大病院生体解剖事件についての番組が放送された。

アメリカ人捕虜を実験台にして、海水を血液の代わりに使用できるかどうか、肺を片側取り除いても生存するか等の実験を行ったという。

事件に関わりを持った医師や看護師は、事件後も医師・看護師として働き、人生を全うしたと番組で知った。


軍部や上司の命令は絶対で断れなかったということだが、結局、強い人に命令されたら人を殺してしまうということだ。

終戦前になると戦争の被害者に焦点を当てる番組が放送されるが、場の空気に流されて殺人行為をしてしまう人の心を分析する番組も作ってもらいたいと思った。


戦闘機B29からパラシュート降下したアメリカ人たちは、まずは自分らを発見した日本人に痛めつけられ殺された人もいる。生き残った人たちは、優良な捕虜・そうではない捕虜と選別され、優良な捕虜は生かされそうではない捕虜は好きなように使われた。その使い方と言うのが実験台。

麻酔をかけて実験手術が行われたから、実験台になった人は何も分からずに死んだのかもしれないが、まさか殺されて臓器を標本にされるなんて思ってもいなかっただろう。生きてアメリカに帰れたら、幸せな人生を送ったかもしれないのに。

人の命を救う医師たちが人を殺したのはショックだ。

アメリカ人捕虜の命だけでなく、当時の日本人の命も軽かったのだろう。

それにしても・・・・

戦時下でなくても、強い人から命令されたら自分の身を守るためにやってはならないことをやってしまうんじゃないかという怖さも感じた。

関係ないかもしれないけど、東芝の問題や佐世保で起こった同級生殺害事件を思い出した。


・・・わたむし(妻)