クワイエットルームにようこそ
ふと、「クワイエットルームにようこそ」という映画を思い出した。
きっかけは、佐世保同級生殺害事件のニュース。
精神科医が加害者の両親に、加害者の入院を勧めていたと聞いた。
入院ではなく、マンションでの一人暮らしをさせるようになって、少女が父親を殺害する可能性は少なくなった。
けれど、想定外の事件を起こしてしまった。
精神科に入院した経験を綴るブログは結構ある。
それを読むと、自殺・他害が避けられる安全な場所だと分かるはずだ。
以前、聞いた話だけど、非常に興奮が激しく我を忘れてしまっている状態だと、
非人間的な扱いを止む無くされる場合があるとか・・・。
私は、そこを実際に見たことがないので、イメージできないのだけど、
映画「クワイエットルームにようこそ」では、睡眠薬を大量に飲んでしまった主人公が、精神科にまわされ、
目を覚ましたとき、手足をベッドに縛られていた。
心身が落ち着いてから、普通の病室へ移動するが、入院している患者たちは、健康そうに見えるが、それぞれが病を抱えていた。
主人公は、自分は病ではないと思っているのだが、やはり自殺を試みて病院へ運ばれたのだ。
精神科病棟で、病を抱える者が、他者の状態を蔑む様子も描かれていた。
映画「クワイエットルームにようこそ」に描かれる精神科は、まるで刑務所のような悲惨な感じがするし、
とんでもない人が入院しているという嫌な感じがある。
映画を見て、とんでもない場所だと偏見を持つ人がいるかも。
もうひとつ、思い出したのは、クレプトマニアという病気で入院している人たちを取材したニュース番組。
「クワイエットルームにようこそ」のような、ハチャメチャな人たちではなかった。
クレプトマニアという病を克服しようと努力する人たちだ。
クレプトマニアとは、店で盗みを繰り返す、盗むときのドキドキした感じで生きている実感を感じて、盗みの衝動を抑えきれないという病。
窃盗は犯罪だから、入院している人たちは、多くのものを失っていた。
衝動を抑制するための治療を受け、店で盗みをはたらかなくても良い安定した状態へと回復する様子が番組で伝わってきた。
精神科に入院して、どんな治療を受けるのかを正しく伝えてもらえると、偏見は少なくなるはずだ。
癌の治療のために入院していました・・・とは言い易いけど、
メンタルヘルスの為に入院していました・・・とは言い難い世の中だ。
ああ、不眠の治療を受けていますっていうのは、言い易いかな。
・・・わたむし(妻)