「嫌な女」
桂望実 光文社
小谷夏子は、親しくなった人から金をだまし取る。けれども愛される。人気者だ。
石田徹子は、夏子からトラブル解消を依頼され、弁護士として夏子のために行動する。
私は、この話の小さなエピソードに自分を重ねた。
食堂で、気に入らないという理由で、夏子は食堂で働く女性を転ばせる。痛がる様子を見て楽しむ。
平気で人を傷つけるが、一緒に居ると楽しいという美点から愛される。
傷つけられた人は、さっさと忘れられる。気持ちを弄ばれたことも、楽しみを与えられたらとすり替えられる。
悪人の魅力が、悪事を帳消しにするのか?という後味の悪さが残る。
わたむし妻