嘉納治五郎⑧(最終回)

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 先日終わったオリンピックの柔道の試合を見て感じた事は、

“メダル至上主義”になりすぎてしまい、

武道の精神が失われてきているのではないかということです。

勝負に勝つことは勿論大事な事ではあるのですが、

勝つ為には手段を選ばなかったり、礼節を欠く試合が増えてきているように見受けられるのです。

試合後は、勝者は敗者に対しても健闘をたたえ、礼節をつくす。

試合に勝っても決して“ガッツ・ポーズ”などは行わず、淡々と闘いを締めくくる。

武道とは本来、そうあるべきであったのではないかと思います。

国際化の波に流され、嘉納治五郎師範のまとめあげた“柔道”は今や“JUDO”と、

別のものになっていっているように感じます。

画像は、1964年の東京オリンピックで、オランダのヘーシンク選手が無差別級を制した後に、

観客席から祝福しようと飛び込んでくる人を、制止しているシーンです。