うきは市長への要望

「うきはアリーナ」オープン以前の準備段階からこれまでの3年間、現職員の皆さんは、利用者の健康増進・運動能力の向上・安全管理等の仕事に一生懸命取り組んでこられました。そして、関わってもらった私たちは、現職員と交流し信頼関係を築いています。
水泳教室では、全く泳げなかった人がクロールを習得し、子どもの頃に自転車乗りを習得したのと同じような喜びと達成感を味わっています。年配者が「この歳になって泳げるようになるとは思わなかった」と自己能力開発の喜びを味わっているのは、大変素晴らしいことです。運動に喜びと遣り甲斐を感じて、様々な水中運動や泳法だけでなく、ジムスタジオのレッスンや筋力トレーニングにも挑戦し、運動を生活に取り入れ、自己管理や病気・怪我等の回復に活かしています。現職員からの適切なアドバイスのお陰です。

「うきはアリーナ」を利用する子どもたちに目を向けると、様々なスポーツに打ち込む様子が見られます。水泳にも、頑張る子どもたちと熱心な指導者という関係があります。私たちはその姿を見ながらプールを利用してきました。体協水泳部では中学から高校にかけての伸び盛りの時期に「うきはアリーナ」の職員であるコーチに指導を受け、国体3位という活躍をする選手がいます。その選手と同じプールで練習するのは、大変良い刺激になりますし、子どもたちの活躍を自分のことのように嬉しく思い応援しています。

このように私たちは、市直営の「うきはアリーナ」で多くの喜びを得てきました。単に施設が新しく美しい・料金が妥当であるというだけでなく、そこで働く人たちが専門性を発揮し、利用者とのコミュニケーションを大切にしてきた成果だと思います。

市議会承認により、来年度から(株)コナミスポーツが指定管理者として運営すると決定しました。現職員がこれからも「うきはアリーナ」で働くには、指定管理者に雇用されなくてはなりませんが、その条件が、アルバイトの立場で週20時間以内の勤務であると聞きました。それでは、月に7万円ほどの収入となり、現状でも十分とは言いがたい待遇を大幅に下回るどころか、暮らしを維持するのは不可能です。人は「お金」の為のみに労働するものではありませんが、生活を維持できない職であれば離れていかざるを得ないでしょう。「有期の雇用であるから辞めるのは当たり前だ」「雇用条件を受け入れる者だけが働けばよい」という価値観で現職員の雇用を扱うのは、あまりにも冷淡です。

現職員が(株)コナミスポーツから提示された条件は、現職員の専門性と「うきはアリーナ」での実績を過小評価するものです。資格と経験・実績を踏まえて待遇条件を提示されてしかるべきです。現職員が自らを「市に切り捨てられた」「必要ないと思われている」と受け取りかねない条件提示です。そして、生活できないような条件を受け入れることは、自らの生活権という人権意識を挫くことに等しいです。現職員が、月に7万円では暮らせないから職を離れると判断するのは、職業に熱意がないのではなく、人権意識を持った正常な判断です。

現職員のほとんどが、うきは市民です。市の赤字財政の皺寄せの煽りをうけて職場を去るようであるならば、それは、市行政の怠慢に因るものです。現職員の任期満了後の就職にまで責任をもってもらいたいです。「うきはアリーナ」はうきは市の施設であって、指定管理者が利益追求する場ではありません。指定管理者がうきは市民である現職員に苦痛を強いるようなことがないよう、市は監督する義務があるのではないでしょうか。多額の費用をかけて「うきはアリーナ」を建設したのです。運営を指定管理者に丸投げせず、「うきはアリーナ」が市民のスポーツ・健康増進の基幹となるよう、確固たる方針をもってほしいです。
また、現職員の1人は、体協水泳部のコーチを担っています。その人が現在の仕事を離れるとなれば、体協水泳部の選手にとっては指導者を失うことになりかねません。子どもたちの健全育成に関わる指導者が、このまま指導を続けられるようにしてほしいです。


私たち「うきはアリーナ」利用者は、今後も現職員に関わってもらうことを強く願っています。どうか、利用者のニーズにマッチングした運営をしてほしいです。

現職員が(株)コナミスポーツ運営による「うきはアリーナ」で、現状以上の社会保障のある待遇で雇用されることを強く要望します。

以上、よろしくお願いします。