見落としなのでは?

5年前に胃がんの手術をした父が、

今度は大腸がんの手術をすることになった。

胃がんの手術をしてからは、定期的に病院で診てもらっているから・・・と、

私の父も母も、安心したように言っていたが、

大腸がんの手術について、医師から話を聞いたところ、

体を撮影した画像を見て、大腸がんがあると思って見れば異常と見えるが、

ただ見るだけだったら分からないと言われた。


そんなもの?CTって?

異常は分からないものなのか?

手術を前にして、「見落としなのでは?」という疑念の言葉は思い浮かばなかったが、

じわじわと、「そんなものなん?」という疑問がもち上がる。


疑問は、私の場合、怒りの感情に結びついていく。

私は怒っているようだ。

大腸がんの手術を受ける父本人は、

「もう十分長生きしたから・・・」と諦めたかのように言う。

確かに、胃がんの手術をしてから5年生きているわけだが、

まだまだ聞いてないことがあるから、

生きていてもらいたいと思う。


今の記憶を持ったまま5年前にタイムスリップできるとしたら、

「自覚症状が出る前にがんが見つかるように、検診してた方がいいよ。検査しても見落としはあるから、

病院以外でも調べてもらった方がいいよ」

と父母に言いたい。


が、父が言うように、5年長生きできたと思う方が、

悔しさはなく、良い気分でいられるとも思う。

この5年は短かった。

再びがんの手術を受けなきゃならないなんて、

ショックだなあ。


・・・わたむし(妻)