ブラックアウト

昨夜、報道ステーションを見ていたら、

北海道全体が停電した状態を「ブラックアウト」と言っていた。

「ブラックアウト」と言われると、

とても深刻な状況だと言葉が響く。


「ブラックアウト」という言葉は、別の場面でも用いられる。

お酒を飲んで記憶をなくしてしまう状態を「ブラックアウト」と言う。

この言葉は、日常会話に登場しないが、「ブラックアウト」と聞けば、

病的な状態だと伝わるはずだ。

なので、「酒の上での失敗」と言わずに「ブラックアウト」と言いたい。

ブックアウトを経験すると、本当は不快なはずだが、

酒が好きな人は、何度もブラックアウトを経験しながらも酒を飲む習慣を持ち続ける。

お酒を飲むと嫌なことを忘れられるとか、ストレスを忘れるとか聞くが、

そういう快感と引き換えに、ブラックアウトという記憶の欠落を経験するなんて

失うものが多すぎる。

本人は、記憶をなくしているから、酔っているときの自分の問題行動を悪いと思わず、

「お酒をひかえてほしい」と家族に言われても、さほど気に留めないと聞く。

ブラックアウト状態の自分は、自分ではないと切り離して考えるのだろう。

本当は、記憶を失うことが大変不快なことのはずなんだ。


自分の人格が酒によって分断され、もう一人の自分が暴言や暴力で他人を傷つけているなら、

そして、犯罪に至っているならば、気に留めないのはオカシイ。

ブラックアウト状態の自分がおとなしくて人に迷惑をかけていないとしても、

気に留めてもらいたい。


「ブラックアウト」になるまで飲んだら、駄目だよ。

繰り返しているうちに、心も体も痛めつけられ、

家庭や仕事というような大切なものを失うよ。

と、言いたい。


テレビを見ていると、飲酒=楽しいと言うことが多く、

料理の紹介では、「ビールに合う」などと飲酒を煽る。

酒のCMも多い。


「飲酒運転はやめよう」というCMはあるが、

記憶を失うブラックアウトについて取り上げる番組はない。

飲酒による「ブラックアウト」も取り上げて番組をつくってもらいたいなあ。

身近にある問題だから。

・・・わたむし(妻)