ワンオペ
福岡県立美術館で切り絵展を鑑賞する前、
一緒に行った夫にあらかじめお願いしていたことがある。
空腹になり過ぎる前に、ちょっと何か食べたいということ。
空腹を我慢し過ぎると、電池切れになったみたいに動けなくなるから。
切り絵展を見終わって、一階の喫茶室へ行った。
何か、ちょっとだけ食べるため。
喫茶室は女性一人で切り盛りしているようだった。
「ご自由におかけください」と言われ、窓際のテーブルについた。
私は、ホットサンドと飲物のセットを頼んだ。
夫は飲物だけ頼んだ。ホットサンドを一緒に食べる。
しばらく待っていると、「チン」と音がして、盛りつけられたホットサンドとグリーンサラダ、コーヒーが運ばれてきた。
食べている間に、数人のお客さんたちがそれぞれ自由にテーブルについたようだった。
一人で接客と調理、片づけなどをやっていることに、私はすごく驚いた。
私には出来ないことだからだ。
以前、「すき屋」だったか、牛丼屋でアルバイト一人で店の仕事をこなす「ワンオペ」が問題になっていた。
「ワンオペ」は牛丼屋で解消されたと聞いたような気がする。
けれども、小さなカフェでは、普通に「ワンオペ」で運営されているようだ。
ホットサンドはとても美味しかった。
薄切りトマト・ハム・チーズを二枚の食パンで挟み、焼いて、
食パンの二対の対角線でカットし、四組のホットサンドが作られていた。
パンの耳を気にすることもなく、私は「おいしいね」と言いながら味わった。
ホットサンドのお陰で、エネルギー切れにならず無事に帰宅できた。
帰宅して、「ああ美味しかったなあ。真似て作りたい」と思ったり、
一人でどうやって食器洗いなどをやっているのかと気になったりした。
客の少ない時間帯に食器を洗うのかな?
・・・わたむし(妻)