書き直し

19歳の警官が指導係の警官を射殺した事件について、

動機は書類指導に怒りを募らせたことというニュースを見て、

どういうこと?とモヤモヤしている。


書類を何回も書き直させられたり、駄目出しされたりするのって、

「仕事あるある」だと思う。

私の狭い経験を振り返って、「あるある」だと思った。

初任者のとき、文章を何度も書き直して提出して、

「訂正前の方がよかった」と元に直させられたことがあったし、

訂正すべきところに付箋をつけられて、書き直したり、

駄目出しは何度も・・・。

その度に気持ちが沈んだ。

文章を書くのはとても嫌なことだと思うようになった。

書類作成も苦痛になった。


就職する前、仕事でそんなに文章を書かなくてはならないと思っていなかったから、

「ああ、思っていたのと違う」

と叫びたいほどの思いがあった。


昔より今の方が、もっと文章を書かなくてはならないだろう。

メールのやり取りがあるから。

とにかく、書類指導を受けて、何度も書き直すのは、「仕事あるある」だと思う。


私は、書き直しについて愚痴を聞いてくれる人がいて、

「私もよ」と共感してもらえて、張り詰めた緊張がほぐれたのを思い出す。

駄目出しをされる度に、

「こんなことも書けないのか」「こんな書類もかけないのか」と言われてなくても、

人格を否定されているような気分になり苦痛だったが、

過去の自分に今の自分が言葉をかけるとしたら、

「そんなに凹まなくていいよ。お手本になるような文章や書類を真似よう」

と言ってあげたい。

それに、文章のテンプレートもある。

そういうのの使い方を教えてあげたい。

意味が通じているなら良いのではないかと合格基準を低くして、仕事をこなしても良いのではないかとも言ってあげたいし、

この世に「完璧」はないとも言ってあげたい。

気持ちが凹んでやる気がなくなるより、やる気が続く方がずっと良いと思う。

どんどんこなしていくうちに、自分なりにコツがつかめて、書類作成は苦にならなくなるだろう。


19歳の警官が上司を射殺した動機は、単に書類の書き直しに嫌気がさしただではないだろうが、

ニュースを見て、若い頃の自分を思い出した。

気持ちが凹んで寝付けない日があったし、駄目出しする人を恨んだりもした。

書類の誤字を大勢の中で指摘されたときに、「ひどいな」と思ったこともあった。

そう思っても、上の立場の人に「ひどいこと言いますね」なんて言えないから、

じっと我慢するほかなかったなあ。

今思い出しても、胸が痛くなる思いだ。

そういう「仕事あるある」の書類書き直しが、私の場合、殺人という破壊行為に結びついていない。

「ひどいこと言うなあ」「嫌がらせ?」「もう勘弁してほしい」などの言葉に置き換えて、

「あの人、嫌いだな」という感情を重ねて記憶している。

嫌いな人として記憶している。

その人を今でも嫌っているとも言える。

人を嫌うことで、罪を犯さずに済んだとも言えるかな。


19歳警官の今後、被害家族の今後について、ニュースがあったら気に留めておきたい。

自分は罪を犯さずに済んだが、他人事ではない気がする。


・・・わたむし(妻)