もう駄目だ

家でテンポ55で練習しレッスンを受けた。

レッスンでは、テンポ60のリズムを聞きながら弾いた。

55なら弾けていたのに60になると、速さについていこうと緊張して手がガタガタ震えた。

なので、間違えてしまう。

繰り返し、60のテンポで練習した。

繰り返し間違える。

「体で覚えていきましょう」

「間違えても、右手だけでも続けて弾いて、入れそうなところを見つけて左手を入れればいいですよ」

とアドバイスを受けた。

なかなか、それが難しい。

入れそうなところを見つけられず音楽が止まってしまう。

かなり焦る。

練習なのに。

「速くなったり遅くなったりせず、同じテンポで弾かないと、聴く人があれ?と思いますよ」

という警告もあった。

コツコツ練習していたはずなのに、良いところ無し・・・、トホホ・・・。


「ちょっと心配になってきましたね。発表会まで、まだ日にちはありますが・・・」

と、先生が不安そうに言った。

ああ、もう駄目なのかもと私も思ったが、ちゃんと練習すれば何とかなるさと自分を励ました。


気持ちは持ち上がったが、数秒もしないうちに、失敗する恐れの大きい私は発表会を遠慮した方が良いのかもと

気分が沈んだ。

まあとにかく、やれるだけ練習やって、それでも駄目なら辞退しよう。


自分だけで楽しんでピアノを弾くのは楽しいが、

人に聴いてもらうのは難しい。


ふと、「ドラえもん」のジャイアンコンサートを思い出した。

ジャイアンの下手な歌を聴かされて、のび太たちが苦しんでいるジャイアンコンサート。


やっぱり、へたくそなピアノを聴かせるのは、暴力に等しいかもしれん。


・・・わたむし(妻)