糠袋で床や柱を磨いてみたいと思い、

まず、糠を求めた。

近所にコイン精米所がないので、お米屋さんへ行った。

福岡中央銀行の奥の通りにお米屋さんはある。


私は初めてお米屋さんへ行き、米ではなく米糠を求めて。

「どれくらい欲しいですか」と問われ、

私は、「これくらい。ちょっと」と言いながら両手で円を描いた。

お米屋さんはビニール袋にサクサクと米糠を入れ、「どうぞ」と手渡してくれた。

「お幾らですか」と問うと、無料とのこと。

「ありがとうございます」と言って米ぬかを受け取ったが、

得をしたはずなのに少し胸が痛んだ。


さっそく糠袋を作ることにした。

袋を縫うのは大変と思い、糠をお茶パックに詰めてぼろ布で包んだ。


母親に糠袋について聞いたことがある。

布の袋に米糠を入れたので床を擦っていたそうだ。

入浴にも使ったとも聞いた。

糠漬けはしたことないそうだ。


昭和の家事について書かれた本には、

「暇さえあれば糠袋で磨いていました」という文があった。

昔の主婦は、ボーっとテレビを見て過ごさず、暇さえあれば床や家具を磨いていたのだなあと思うと、

少し胸が痛み、私のようなズボラな者に糠袋が使えるものだろうかと不安になった。

暇さえあれば磨くというのは私には難しいから、一日に一カ所磨くことにした。

床も少しにしよう。


・・・わたむし(妻)