裏方
夫の職場で、事務職の女性がご主人の転勤にともない、
職場を去ることになったと聞いた。
会ったこともない人だが、夫からその人について話を聞いてきたから、
居なくなるなんて寂しいなあと思った。
話を聞いて想像しているだけだから、
夫の仕事、職場、職場の仲間について本当のことは知らない。
脳内のイメージしかない。
夫から職場の話を聞いて、自分もその場にいるかのようにイメージしている。
実際の私は、そこにいない。家にいる。
居なくなるというその人をイメージして、感情移入している。
だから、「寂しい」という感情が出てきたんだろう。
その女性が退職した後に、その穴を埋められるんだろうかと心配したりもしてる。
事務職を希望する人はたくさんいるそうだが、夫の職場の場合、なかなか働き手が来ないみたい。
それには理由があるようだ。
夫の職場では、事務職などのサポート業務をする人が軽んじられているようだ。
なぜか営業職は優遇されている。
そんな話を聞いて、想像してイメージで私は怒っている。
事務職などの働きなしで営業できないでしょと怒っている。
会社を人間に例えて考えると、
無自覚の考え方の癖があり、事務職を過小評価していることに気づいていないのかもしれないと思う。
もちろん、営業職がいなければ会社は回らないし、大事なんだけど、
裏方も大事にしてほしいなと思う。
誰だったかな?
「人は石垣」みたいな名言を残した人がいたよね?
石垣は、表面の石だけで出来ているんじゃなく、
石を支える土台がしっかりしてないとダメだよね。
見えないところで支えている存在を大事にしてもらいたいなあと思う。
「見えてなくても あるんだよ」
という言葉もあったような、ぼんやりした記憶もある。
誰の言葉だったかな?
金子みすずだったかな?
金子みすずを検索したら、「見えぬけれどもあるんだよ」という詩があった。
昼間の空を見て、見えないが星があるんだよという詩だった。
太陽や月は、昼の空でも見えるが、
遠い星の光は見えない。
けれど、金子みすずが詩に書いているように、確かに星はあるんだなあ・・・。
はあ、それにしても、話に聞いていた人が居なくなるとしても、
転居先で元気に生活できますように・・・。
会ったこともない人だけど、幸せでいてほしい。
・・・わたむし(妻)