身振り手振りで会話した


缶ビールの気が抜けないように蓋をしたいねと夫が言い、

蓋になるようなものが売られていないか、ダイソーに見に行くことにした。

この会話は、夜8時くらいのこと。

私と夫は、徒歩で朝倉街道のダイソーを目指した。

夜風がひんやりして気持ち良かった。

のんびり歩いていると、朝倉街道の交番に駆け込む若い女性二人を見かけた。

交番は無人のようで、2人はすぐに出てきた。

すると、2人は、私らのほうへ走り寄った。

一人がスマホを見せ、「リュウミョウジ」と言った。

立明寺へ行きたいが道が分からなくて困っているのだと私らは受け取った。

私らは交番へ入った。

明かりがついたままで誰も居なかった。

夫が、交番の連絡用電話で筑紫野署へ連絡し、道に迷った外国人が交番へ来ていることと、目的地が立明寺であることを伝えた。

確か、「立明寺」と記された信号があったなあと記憶をたどったが、

案内できないと思った。

警察がその住所を調べて、折り返し連絡をくれた。場所を説明してくれ、言葉では説明し難いとも言い、

20分後に交番へ来てくれることになった。


夫は、身振り手振りと英単語の羅列で、そのことを女性たちに伝えた。

本当は、一緒に待っていてあげたほうが良かったんじゃないかと思ったけど、

私らはダイソーへ行った。

で、欲しいものはなかった。

西鉄ストアでちょっと買い物をして、帰りに交番へ寄ることにした。


あの二人がどうなったか気になっていたから。

踏切を渡ると、パトカーが交番に停車し、警察官が一人、交番へ入って行った。


夫が、交番の扉を開けて尋ねた。

話し始めでは、警察官は緊張した表情だったが、徐々に笑顔になった。

警察官は二人を送り届けた来たところだと言った。


「ああ、良かった」

私らは安心して帰宅した。

そして、英会話ができると良いなというような会話をした。


・・・わたむし(妻)