梅ヶ枝餅

先週、太宰府天満宮へ梅を見に行き、花の美しさに満足した。

梅ヶ枝餅も買った。

梅ヶ枝餅はどの店でも美味しいだろうと思っていたが、

その日買ったのは餅が粉っぽく感じられた。

美味しくないと思った。

この前食べた梅ヶ枝餅を基準にして食べ比べると、不味いものになる。

美味い不味いを比べることをあまりしなかったが、

不味いと感じてしまい、もう不味いと思った梅ヶ枝餅は食べられないなと思った。


ふと、犬のタロウを思い出した。

タロウは去年、死んでしまった。

タロウが元気だったころ、幼い甥が美味しいドッグフードを食べさせ、その後数日、ドッグフードを食べなくなった。

口が肥えたから食べなくなったんだろうと、私たちは言ったのだった。


美食家になると、もしかしたら食べる量は減るのかもしれない。

美味しい物だけを食べるなら、そうなるだろう。


今度、太宰府天満宮へ行ったら美味しいと思う梅ヶ枝餅を買いたい。

でも、ちょっとそんな自分が嫌だ。

ほどほどに何でも美味しく思える方が良いなと思うから。


何でも美味しいと思える方が幸せのように思うから。

美味しい梅ヶ枝餅に出会って、普通の梅が枝餅を不味いと感じたとしたら、

ちょっと幸せから遠ざかった気がする。


・・・わたむし(妻)