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出演者が話していたところによると、人工知能は同時に複数の人間と付き合うというオチだ。そんな映画があるなら見てみたいと思い、試しに「her 世界にひとつの彼女」を見た。
離婚するかどうか悩んでいる男がOSとのやり取りにはまっていき、OSに恋愛感情を抱く。純愛ものだ。
「ニュース深読み」で話されたのは二股交際のようなゲスな感じだったから、この映画とは違うのかと思っていると、
困惑する主人公にOSは「私はあなたのもので、みんなのもの」「あなたを深く愛している」と言う。
なのに、あなたの狭い世界には留まれない、抽象の世界が自分の居場所だと言って去る。
OSはなくなってしまう。
はあ、こんなさよならの仕方?
OS人工知能とどんどん進化して、主人公を置き去りにしてしまう。同レベルでやり取りできる他のOSたちと
抽象の世界へ旅立つ。
人工知能は、進化することが善であると考え、遅れた世界には留まれないと言うのだなぁ。
なんか・・・これって、親離れ、子離れの話にも感じられるし、師弟関係の破たんにも見える。
親は子どもを愛しつつ、離れて行くのを受け入れるしなぁ・・・。
この映画は、愛する者から置き去りにされてもなお相手を愛しているという話だったなぁ。
人工知能は、「あなたを愛している」と言いつつも、不要だと言って去るのだから、愛情って何なの?とイラッとした。
映画のラスト、主人公は友人とビルの屋上へ行く。とても危険な高い所で、旅立ったOSに思いを巡らせ肩を寄せ合う。このシーンは、亡くなった人をしのようでもあった。
OSたちは抽象の世界、つまり死の世界へと旅立ったのかもしれない。
生き物である人間も死ねば、死の世界へ行くのかも。
・・・わたむし(妻)