曜変天目茶碗を見に行った

曜変天目茶碗を見に行って来た。場所は福岡市立美術館。

前々から、テレビCMで気になっていた。宇宙にきらめく星が器の中にあるような美しい茶碗。

器の良し悪しを知らなくても分かるような美しさ。


開館10分前に美術館に到着。

IC乗車券ニモカを見せると入場料金が200円安くなった。これは、夫が下調べしてくれていたお陰のことだ。

開場前に既に10数人のお客さんが並んでいた。

入場してすぐ、藤田美術館についての説明文を読んだ。

萩に生まれた藤田傳三郎氏は、明治維新の改革で活動せず、事業をすることで国に貢献しようとしたそうだ。

欧米の文化が盛んに取り入れられた明治の始め、日本古来の仏像や美術品が壊されたり、安易に外国へ売られたりすることに胸を痛め、傳三郎氏は美術品を集め始めたそうだ。

私らが見に行った展示のタイトルは「藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」。

古い物では勾玉や銅鐸もあり、目当ての曜変天目茶碗にたどり着くまでに多くの美術品を見た。

また、国宝は曜変天目茶碗だけではなかった。

リストで、国宝がたくさんあると分かった。

平安時代・花蝶蒔絵挾軾
室町時代・柴門新月
南宋時代・曜変天目茶碗


曜変天目茶碗の展示の仕方は特別なものだった。透明なケースに入れられた曜変天目茶碗を四方からぐるりと見ることができた。黒い地色に青い光が走っているような、青く光るシャボン玉が漂っているようにも、宇宙に星が光るようにも見えた。

「曜変」とは、窯の中での変化を意味するそうだが、元々は「窯変」と書くものを特別に「曜変」と書いたそうだ。

青い瑠璃色の模様は、多くの陶工が再現しようとしても完璧な再現は出来てないという。

南宋時代に中国で作られた曜変天目茶碗は、現在のところ世界に3つしか存在しないそうだ。

現代アートのような斬新な美しさは、人の力では及ばない奇蹟のものだ。

イメージ 1

ずっと見ていたかったが、図録を買って写真で味わうことにした。



可愛いと思ったのは、春日厨子、鴨形香合。

春日厨子の扉の中には、山から伸びる道の絵が描かれていて、その前に鏡を背負った鹿が立っている。

この鹿は神様なんだろう。可愛い神様だな。


ふっくらとした羽毛を持ったカモの形そのままの鴨形香合は、見ていると心が癒される。


緑色の勾玉も綺麗だった。ヒスイかな?



展示を見終えてぼんやりとしていたら、狂暴な顔をした犬の絵が見えた。

無料で見られる展示コーナーの絵だった。面白そうと思い見に行った。

犬は牙を剥きだしにして今にも噛みつきそうだった。

たくさんの絵が展示されていた。見終わってぼんやりしていると、年配の男性から「バイオリンのコンサートがありますよ」と誘われた。

福岡美術連盟創立20周年のイベントだと後で分かった。展示されていた絵もそうかな?

絵画と音楽をつなぐミュージアムコンサートとして、30分ほどのコンサートが開かれた。私らは、その最終日に、中西弾氏のバイオリンを聴くことができた。ラッキーだった。

無伴奏でバイオリンを聴くのは初めてだった。とても迫力があった。部屋全体が響いているみたいだった。


曜変天目茶碗を見に行ったのに、いろいろと美術品を見ることができたし、音楽も聴けた。


・・・わたむし(妻)