楽に減塩する方法があればよいのに・・・

夫と昔の暮らし方について話していたら、冷蔵庫の普及が日本人の長寿に貢献しているという内容のラジオでの話を夫から聞いた。漬物などの保存食には塩がたくさん入っている。冷蔵庫がなかった昔には、塩漬けの保存食を食べていたから、塩を食べ過ぎて病気を引き起こしていたる冷蔵庫が普及して食品の保存が簡単になり減塩に取り組めるようになったという話だ。

昔を懐かしんで冷蔵庫のない暮らしをすると、節電は出来ても減塩はできないのだな。冷蔵庫を見直す話だった。

そういえば、昔、「塩クジラ」を食べていた。クジラの肉の塩漬けだ。焼くと肉の表面が塩で真っ白になる。水で塩を洗い流して食べる。子ども心に塩クジラは、美味しいとは思えなかったが、父親は塩クジラが好きだったと記憶している。

松浦漬というクジラの粕漬は、お土産にいただいたことがあるが、食べたことはない。

昔、クジラ一頭を捕まえたら、様々な保存食にして食べられ、人々は飢えから救われただろう。まさか、塩分過多という落とし穴があるなんて知らなかっただろう。それよりもタンパク源はごちそうだったに違いない。


私の幼少期に電気冷蔵庫が家にやって来た。当時の電気店の広告には、肉やハムなどが詰まった冷蔵庫の写真が載っていたと記憶している。今思うと、詰め込み過ぎ。当時は、その日に食べるものを近くの商店で買っていたから冷蔵庫に食品を詰めるほどに余らせなかった。冷蔵庫の中はスカスカだった。ビールだって、冷たいのを配達してもらっていた。

冷蔵庫が普及して日本人は寿命が延びたそうだが、それでもなお、日本人は塩分をとり過ぎていると聞いたことがある。昔より薄味の煮物やみそ汁を飲んでいるし、漬物や梅干しも減塩して作られたのを食べている。

そう言えば、「県庁の星」という小説で、減塩に関わる話があった。主人公の県庁職員が研修を受けるスーパーで、主人公VSスーパー店員の弁当対決をした。良い材料で美味しい弁当をつくった主人公のグループはスーパー店員グループに負けた。負けた理由は、味付けが薄かったから冷めた弁当は人気がでなかった。スーパー店員が作る弁当は、そこそこの材料で濃い味付けをして冷めても味を感じるものを作っていた。客が好むのは、健康志向ではなかった。

もしかしたら、冷蔵庫に数日分の食料を買いだめして自炊する方が、減塩になるのではないか。けれど、夜まで働いて、料理をするのは大変なことだ。温めるだけでOKの食品や出来合いのおかずは助かる。冷凍食品もいいな。人々を楽にしているスーパーの食品や冷凍食品が減塩もしてくれたらよいのにと、私は楽をする方法ばかりを考えてしまう。

・・・わたむし(妻)