迷子になった

ゆめタウン筑紫野店へ夫と買い物に行ったところ、私は夫とはぐれてしまった。

雑貨店の品物に見入っていたら、夫を見失ってしまった。

店内を歩き回り探したが見つからない。


そうだ。携帯電話で連絡を取りあえば良いんだと思い、連絡しようとしたが、

私の携帯電話にはエラーと表示され使い物にならない。

今度は歩き回って公衆電話を探した。

なかなか見つからないので店の人に尋ねた。

「入り口にあります」とのこと。

私は、入口へ急いだ。


何度も通った場所なのに、私は初めて公衆電話を認識した。

用がないと見えないようだ。


私は、心細い思いで小銭を入れて夫に電話した。

何回目かの呼び出し音の後で夫は電話をとった。


「お前、どこにおるとや?」

「公衆電話の前」


「どこに居ると?」

「auショップの前」

とても間抜けな会話だと思った。

「もう買い物は済ませたぜ」と夫は会話を締めくくった。


私は小走りでauショップの前へ行った。

夫はイライラした様子を見せずに立っていた。


けれども、怒っているんじゃないかと思い謝った。


まさか、自分が迷子になるなんて思ってなかったから、とても情けなかった。

携帯電話も使えないなんて運が悪いと思ったのだった。

もしも公衆電話がなかったら、店内放送しなくてはならなかっただろう。

とても心細かった。


・・・わたむし(妻)