光のメニュー⑥

ヤマハのお店でみつけた楽譜を先生に見せた。
 
ふむふむ・・・・
 
「じっくり自分で譜読みして頑張ってみますか?
 
レッスンで譜読みしていきますか?」
 
私は数秒黙った。先生は、この楽譜は使えると判断したんだなあ。
 
弾きますか?と問われているんだな。
 
私はやる前から、弾きこなせなかったときのがっかり感を想像してしまう考え癖を持っていて、
 
なかなか新しいことにチャレンジしないが、チャレンジするためにピアノ教室に通い始めたのだから・・・・
 
先生を頼りに思っている気持ちを正直に述べることにした。
 
「1人でやると、難しいところで投げ出してしまいそうです。いつもそうだったから・・・
 
先生、一緒にお願いします」
 
「はい。では、今からやりましょう」
 
私は、簡単にアレンジされたショパンノクターン第一番に取り組むことにした。
 
「4分の6拍子。4分音符が一拍として6拍数えます」
 
聴いただけでは、3拍子だと思っていたが6拍子なのだ。
 
ラシドソ♯ラファミ ミ ミ ミ ファミレシド~ラ
 
このフレーズが繰り返し登場する。
 
私は、この流れるようなフレーズが好きだ。
 
目で音符を追いながら、手探りで鍵盤をはじく。
 
私の指は、時々生まれたての仔牛のようにおぼつかなくなるが、
 
私に合わせて先生が音階を歌ってくれる。
 
やっと最後までたどりついた。
 
先生に道案内を頼んで良かった。
 
なんとなく見通しがついたというか、やれそうな気がしてきた。
 
・・・わたむし(妻)