大仏・・・幸福・・・

おととい、「歴史秘話ヒストリア」という番組の、大仏再建についての回の録画を夫と見た。

民衆が喜んでお金を出し、

お金を出せない人は力仕事をして大仏と縁を結ぼうとしている喜びの表情が描かれた絵巻が紹介されていた。

私は小学生の歴史の授業を思い出した。

大仏を作ることによって国民を幸福にしようとした当時の政治について

どう思うかと先生に質問され、

私は、「大仏の力で幸せにするなんて、人々をだましている」と答えて

ひんしゅくを買った。


遡って、小5の社会科の授業でも、公害についての学習で

「開発は進んでいるのだから、公害はもっと酷くなると思う。」と言い、ひんしゅくを買った。

研究授業だったから、大勢の先生たちが見に来ていた。


小4の国語の授業参観では、人々から尊敬される山岳ガイドについての話について、

「仕事ばかりしていたら、家族は寂しいだろう」と言い、主人公を批判したために何人もの人から反論された。

授業参観だったから、その様子は保護者に見られていた。


大仏再建に力を尽くした人々の話を番組で見て、

小学生の頃の、可愛げのない自分の発言を思い出した。

今も、仏様を見てありがたいと思わないから、当時とそんなに変わってないようだ。


思い出して、少し笑った。可愛げのない小学生だった自分を。

思い出したことを夫に話したら、夫は笑わなかった。

「可愛げのない小学生だった自分」を自嘲したのであって、

本当は、少し可愛そうだと思っている。

今の自分が当時の自分に話しかけるとしたら、

切り捨てないで、「どうしてそう思うの?」と問うだろう。

当時の気持ちを今の自分が答えるならば、

「仏壇があっても幸せではないから」と答えるだろう。

子どもの頃の自分は、「仏様」=「幸福をもたらす」とは思えなかったのだろう。




・・わたむし(妻)