オウム事件についての番組から考えたこと

NHK特集・未解決事件特集を録画しておいたので見た。

テーマは、オウムサリン事件。


ハルマゲドン・・というのが、私にはよく分からないのだけど、

番組を見て、「どうせ皆 死ぬのだから、死んで救われよう」という考えなのかなと

思った。


それには、「世紀末には人類が滅亡するかもしれない」というイメージがある。

それは、イメージであって、起こりそうな危機とは違う。



人間は、何万年も前に絶滅の危機を乗り越えるために

様々な工夫をして子どもを育て、住みかを求めて移動して世界中に広がったそうだ。

「今の人間」になる前に、絶滅の危機を乗り越えている。

乗り越えた後に、宗教的な思想が出来上がったのだとしたら、

救いを求める・救いを与えるという思想は、底が浅いのではないかな。



番組中で、オウム真理教武装化していく過程が説明されていた。

それを知る人として、当時の幹部が話していた。

彼は、武装化の計画を教祖から打ち明けられた。

秘密を知って教団を去るならば、ポアされる側になる・・・

・・つまり、殺される立場になる・・・

・・教団は、秘密を知った者を殺す・・・

・・協力しなければ殺す・・・

と脅して協力させたという話だ。




教祖は、「やがて人類は滅亡する」というような脅しによって人を支配し、

脅しを実行するためにテロを行った・・ということなのかな。

自分の思うようにする・・という彼の欲望。


で、思うようにならないなら、自分も他者も死んでしまえばいい・・というようなものだろう。


選ばれた特別な人間・・神に近い所にいる・・人を見下ろす高所にいる・・・それが修行の成果だと勘違いして

人を殺してしまうなんて、とても愚かだ。

働いて、ご飯を食べて、家族と暮らす・・・それは、楽しい幸せなことだ。

幸福を否定する救いは、救いではないよね。




先日、新聞の人生相談のコーナーで家庭内暴力の相談を読んだ。

別れたがっているお嫁さんに対して、「別れるならば殺す」と息子さんが脅したから泣く泣く家に戻ったというエピソードが書かれていた。息子さんは、リストラされて次の職も見つからず、その上に別れたいと言われて「殺す」と脅した。

今のところ言葉だけで実際には暴力を受けていない・・と書かれていた。母親として息子の家庭にどうしたらよいか・・という相談だった。


自分の思うようにならなくて辛い・・見捨てられて一人になりそうだ。でも体面を保っていたい。一人になりたくないから「殺す」と脅してでも体面を保とうとしている。

どうしたら良いのかな。。。

冷めた目で見て考えると、地道に次の職を探すしかないし、

元々夫婦仲が悪くて支え合えない間柄ならば、1人になるのは仕方がない・・と思う。

別れて、相手を傷つけなくてすむのが良いと思う。

愛情よりも憎しみが勝っている関係を続けるのは、一人でいるよりも辛いことのように思う。

だけど、一人になるのが怖い・・だから、脅してでも一緒にいようとするのかな。


憎んで傷つけるよりも、1人になった方が後悔しなくてすむように思うな。




こんな風に、「思うようにならないなら、共に破壊の道を進んで破滅しよう」というようなパターンの出来事は多いのかもしれない。





・・・わたむし(妻)