久留米 まるこうラーメンを知らない私

休日に久留米へ出かけた夫は、まるこうラーメンへ行ったそうだ。

「私、まるこうラーメン、一度も行ったことない」

と言うと、夫は、

筑後の方に住んでいたのに、信じられない」

と言った。


休日に別行動をとることが多いからだろう。

夫の当たり前と私の当たり前は、随分と違うようだ。


まるこうラーメンは有名店だから、誰もが行くと思う夫。

まるこうラーメンを知らない私。

違いは大きい。


もしかしたら、別世界で生きているのかもしれない。

夫の住む世界の隣に私の住む世界があり、

お互いに違うことを経験していて、別々の行動をとっているんだ。


まるこうラーメンの向こうに夫はいて、

私はここにいる。


川の向こう側に夫はいて、

私は、川の手前にいる。


で、夫のいる場所へ行く手段を持たず、

私は、「やっぱ、まるこうラーメンは美味しいなあ」と楽しんでいる夫を

見ることができず、

後で、「美味しいよ」と経験談を聞く。

一度も食べたことがないから、その美味しさを想像できない。


久留米ラーメンの中で知っているのは、大砲ラーメンだ。

豚骨スープなのにあっさりしている。

私は、この味が好きだ。


まるこうラーメンは、大砲ラーメンに似ているのか、違うのかと考えてみているが、

考えても分からない。


まあ、一度、まるこうラーメンに連れていってほしいという思いがあるけど、

夫は忙しく、そういう予定を入れられないだろう。


だから、ただ、「美味しいよ」という経験談を聞くだけ。


まあ、まあ、まあ、それでも良いんじゃないかと思う。

経験談を聞くという接点があるんたから。

それに、私を交えない人間関係があるのは事実なんだから。


私は、徒歩圏内でできる経験を深めれば良いだろう。

そうそう、ピアノの練習、がんばれば良いんだ。


なんと狭いことか。私の世界。

スモールワールドで暮らすおばちゃんと言えば、私のことだ。

・・・わたむし(妻)