不便益

NHK「あさイチ」で不便益が紹介されていたので録画した。

便利なものについて行けてない私は、自分を肯定したくて番組を見たのかもしれない。


私は、あえて不便を生活に取り入れているのではなくて、ついていけてない。

スマホを持たないのはお金がかかるから。

食洗器やロボット掃除機を持たないのも、高いから。

あり余るほどのお金があれば手にしているだろう。


テレビや雑誌を見ていると、それらを生活に取り入れている人が普通であるように見える。

それに、家事本のほとんどで、「楽」「便利」を求めている。


共働きの家庭が求める情報だからかもしれない。

私ぐらいの年齢の女性は、多くはバリバリと働いている。

私はバリバリ働ける体ではないから、のんびりと無理のないペースで家事をしている。

これでいいのだ・・・とバカボンのパパのような言葉を脳内で呟いてはいるが、

たまに、世の中の普通から取り残されている感じがして、心に隙間風が吹く。


この世の女性たちは、家事、育児、仕事、趣味をフルに楽しんでいるが、私はそれができないのだ・・・と思う。

「できない」という現実がある。

車の運転も止めてしまったし、働くのも止めてしまった。

以前は分刻みで忙しくしていたのに・・・と、失った過去の自分と今の自分を比べてしまう。


で、今の自分は過去の自分より劣るのか?

劣らないが、世の中の流れに乗ってはいない。

「輝く女性象」から離れている。


それで良いではないかと納得しようとしている。

ほどぼどで良いではないか・・・と。


本音では、忙しい女性たちをうらやんでいる。

私も「忙しい」と言ってみたい。

でも、「忙しい」と言えば嘘になる。

結構時間がある。

締め切りに追われていない。時間に余裕がある。

食洗器を使わなくても、十分に洗う時間がある。

眠りたいだけ眠る時間がある。


車でスーパーに行かなくても大丈夫。

近くにスーパーがあるから。

あえて不便を求めて徒歩で出かけているのではない。

徒歩で十分だ。


で、「あさイチ」での不便益についての特集は、私にぴったりの内容だった。

特に不便さを求めていないが、「不便さ」を生活に取り入れて自分を鍛えるという発想で生活すれば、

私の生活はより充実するだろう。


録画したのをまた見よう。

・・・わたむし(妻)