分からない

人気ブロガーが書いた本を読んでいると、若い頃、特に新卒で仕事に不慣れだった頃の苦い記憶が甦る。

仕事に慣れてなくて段取りが悪く無駄が多い私とは違って、先輩方は無駄のない手際よい仕事ぶり。

焦る情けない自分。睡眠を削って仕事をこなすが空回り。

うまく仕事の流れを作れなくて四苦八苦。

誰かに習いたく思うが、先輩方は、慣れるしかないと言い、

私が「分からない」と言うと、「分からん分からんと言うな」と先輩は怒る。

自分で考えてやれということ。


指導案を書いて先輩にみてもらうと、赤ペンで直されて真っ赤。

書き直して教務主任に見せると、元の方が良かったと返されまた書き直し。

夜にはノートやプリントを持ち帰って採点と記録。


同時に複数の仕事を並行して進めていくことに難しさを感じていた。スケジュール管理が甘く、

いつも複数の締め切りに追われて、あたふたしていた。溺れそうなのに誰にも助けてもらえない。

「それはあなたの仕事でしょう」と言われるだけ。


転勤して、通知表が相対評価から絶対評価に変わり、評価方法に戸惑った。

「分からないので教えてください」と先輩に尋ねると、「いったい何が分からないの。絶対評価よ」と言われ、

「その評価の出し方、初めてで分からないのです」と言う自分。

「何言ってるの」と突き放され、私は職員室で皆が見てる中、見られていることも忘れて泣いてしまい、

「泣くようなこと?」と言われる始末。


結局、5年勤務して退職。

睡眠時間を削って頑張りはしたが、その頃の経験が今に生きているかと言うと、生きているとは言えない。

しこりにはなっている。


家事については、いろいろな人がそれぞれの立場で本を出し、いろいろな分からなさに答えてくれている。

とても親切だ。

そうなんだ。若い頃、働き始めて困っていた頃、助けてもらいたかったんだ。

こんな風にしたらいいよというお手本があったら良いなと思ってた。

家事については、今、いろいろなタイプのお手本がある。

「分からない」という声は、本や番組作りに拾われる。

そうだな・・・「分からない」という声を拾ってもらいたかったんだな。

あの頃は、「分からないと言うな」「愚痴を言うな」と口を封じられた状態だったのかも。


今は、分からなければ教えてもらえるし、助けてもらえる。

家事本を読むと、本を書いてる人、親切だなぁと思う。


・・・わたむし(妻)