年取った父母の夫婦げんか
80歳になった私の父。
昔の思い出話をすることが増えたのだが、その内容が夫婦げんかの火種になっている。
この家が、どんな家なのか・・・昔は金持ちだった・・・という内容。
「私が嫁に来たときにはみんな貧乏やったくせに・・・」と母は強く言い返す。
いろいろと思い出すことがあって、嫌な気持ちになるようだ。
私は、子どものころからあまり父親と会話したことがなかったので、昔は金持ちだったという話を詳しく聞いてみたいと思っている。
が、父親から昔の話を聞くと、嫌な雰囲気になるのかな・・・どうしたものか・・・。
こんなことを言ってはいけないかもしれないが、もしも、母親よりも先に父親が亡くなったら、
もしかしたら、父親が受け継いできたものが母親の嫌悪感によって、悪いものと言われてしまうんじゃないかと心配だ。
夫婦げんかの火種を拾い集めて喧嘩をしているように見えるのも心配。
そして、思う。仲が良いとは見えない夫婦に生まれた私って、野に産まれるカエルや魚みたいに、愛情とは無関係に生まれて育っている生き物みたいだな。人間という種類の生物なんだなと思う。
50歳を超えた今でさえ、仲の良い家族だったらいいのになと願っているんだな。
もしかしたら、どこの家にも似たような問題はあるのかな?
映画やドラマでは、子どもは愛の結晶と言われていたから、そうじゃない自分は、一般的な人々より劣る存在だと子どもながらに、傷つきを感じていた。
年取った親が刺々しくやり合っているのを見ると、心の古傷が痛みだすようだ。
でも、でも・・・。
元々はどんな家だったか、どんなに豊かだったのか子や孫に言っておきたいという気持ちが父親にあるようだから、喧嘩が起きないように工夫して話を聞きたい。
できれば、冊子としてまとめて私の弟たちや甥や姪、私の家族にも読んでもらいたい。
どうやって話を聞こうかな?工夫しなくては。
・・・わたむし(妻)