医療刑務所

昨日ニュース番組で、北九州市医療刑務所に収監されている摂食障害の女性たちについて知った。

摂食障害とは、食べ物を食べられなくなったり、大量に食べて吐いたりしてしまう病気だそうだ。

収監されている摂食障害の人たちは、窃盗罪を犯した人が多いという。

吐いてしまう食べ物にお金をかけないよう盗んでしまうという話だった。


医療刑務所では、治療に取り組んでいた。が、生き辛さを抱える人たちは、病気でいる方がマシと考え、積極的に治ろうとしないという。

ニュース番組では、全く食べ物が食べられない50歳の女性も紹介された。

彼女は、食べ物が食べられなくなったきっかけを語った。

結婚して夫の実家で暮らしていたのだそうだが、そこで「犬以下」の生活をしていたという。

ペットの犬が食べたその食器を洗うこともなく使わされた。

犬の食器での食事を強要され、食べることが気持ちの悪いことになってしまい食べられなくなった。

45キロあった体重が25キロになってしまったことがあるという。

お金も自由に使えなかったのか、生活が困窮し、子どもの物を手に入れるために盗んだのだそうだ。


食べ物を食べると、虐待を受けていたときの記憶が甦って気持ち悪くなるんだろう。

犬を可愛がる人が、家族の一員になった若い女性を痛めつけ、弱っていく様子を見ていたのだと思うと、

背すじが寒くなるような思いがした。人が困る様子を嬉々として見る人間が確かにいるのだ。恐ろしい。

そういう酷いことをしても、家の中のこととして隠され、罪を問われずに普通に暮らしているのだな。


ペットを飼う人に対して、「優しい」というイメージを持っていたが、そうとは限らないようだ。

テレビで痩せ細った女性たちの様子を見て、胸が痛んだ。


犬の食器で人にご飯を食べさせるなんてことを考えつくのは、「人間」なのだ。

そんなことをして、自分の立場を守って暮らすような酷いことが、身近に起こっているのだろう。


拒食症になったその女性が誰かに相談できたら、きっと悪い環境から逃げられたに違いない。

国や市は予算不足であまりお金を使いたくないようだが、助けを求める人を助けて欲しい。

刑期を終えたら、拒食症が治らないまま出所するのだろうか?

彼女はどうなるんだろう。

何か助けになるものがあるのだろうか?

生活保護を受けながら治療も受けられるんだろうか?

なにか、生きる希望はあるんだろうか?


そういう疑問が浮かび、昨夜はなかなか寝付けなかった。


これから、北九州市医療刑務所についての情報があったら、気をつけて見ていきたい。


・・・わたむし(妻)