田舎の事情

昨日、私の実家へ行き階段に手すりをつけた。

ホームセンターで材料を購入し、夫が取り付けた。

夫は、いろいろと前準備をしていた。長い手すりを一人で取り付けられるように、フックと結束バンドで仮に固定するやり方を考えだしたり、壁に真っ直ぐな線を引くチョーク墨坪という道具を準備したりしていた。

私はチョーク墨坪を初めて見た。墨坪と違ってチョークの粉で線が引かれる。拭き取れば線が消える。

壁の中の柱を見つける機械もあった。壁に機械をかざすと柱に反応してピーと音が鳴る。ただし、あんまり当てにならないようで、夫はトントンと壁をノックして音の違いを聞分けて壁の中を探っていた。

数時間の作業で、手すりは完成した。

これで上り下りが安全になった。


まだ、他にも手すりが必要になるかもしれない。段差も気になる。


先日、父は背中が痛くなり、その痛さは辛いものだったそうだ。癌の手術を受けた病院へ行っていろいろと検査し、癌とは関係ないということで安心したようだった。

その話を聞いて、私は、ちょっとした怒りを感じた。

病院が遠いことへの怒り。

車で30分もかかる。痛みをこらえて30分も運転しなくてはならなかったなんて、遠すぎる。

高齢者が遠くの病院へ行くのは大変すぎると思った。

役所に行くくらいの近い所で見てもらえたらいいのに・・・。近くならタクシーで行っても財布は痛くないのに・・・。



私がうきはで暮らしていた頃、車で30分の距離を遠いとは思わなかった。30分運転して日田へ行ったり、40分運転して久留米へ行ったりするのは普通のことだった。

運転が得意でなくても、そうしなければ暮らせないから普通だと思って運転していた。

なので、痛みをこらえて運転した父としては、そんなに大変じゃなかったかもしれないけど、

運転が苦になってきて運転しなくなった私には、聞いただけで大変な気がした。


痛みで運転もできないくらいに酷いとき、車で30分かかる病院へどうやって行くか。

タクシーに乗ることになるだろう。

料金は痛い額になりそう。

やっぱり、病院が遠すぎる。


昨日、階段に手すりをつけて転倒防止の対策がとれたけれど、危ない場所は階段だけではないし、

転ばなくても痛みが生じる場合もあるわけだし。

気づいたときには動けない場合だってあるから、いざというとき、すぐにタクシーが呼べるようにした方がいいなと思う。

生活費の中に、「タクシー代」を持っておくと良いのかな。


救急車をタクシー代わりに使わないでほしいとテレビで言われていたから、痛いくらいじゃ救急車は呼べないだろう。

年金生活者が高いタクシー代を払うのは、とても大変。

やっぱり、怒りを感じる。


・・・わたむし(妻)