資生堂のアクアレーベル

ドラッグストアで化粧品の棚の前にいたら、「何かお探しですか?」と声をかけられた。

私はシミに効果のある化粧品を探していると答えた。

店の人は、一番人気の商品として資生堂のHAKUhttp://www.shiseido.co.jp/haku/index.htmlを勧めてくれた。けれども、高いと思ったので、高過ぎて買えないと伝えた。

今度は、アクアレーベルというシリーズから美白用の美容液を勧めてくれた。テスターを手の甲に塗り、伸びが良いと思った。値段も手ごろだ。

私は店で声をかけられるのは好きではないが、今回は店の人に品物を提案してもらえて良かったと思った。良い買い物ができた。

アクアレーベルは、私のように安い化粧品を求める人は合っていると思う。


買い物をしていて、店の人に話しかけられるのを嫌うようになったきっかけは、若い頃、押しの強い営業トークを跳ね除けられず高い買い物をした失敗だと思う。

学生の頃、一万円以内でジャケットを買おうと思って店に入り、ジャンパー着てるの?と言われた。そのときに着ていた服を小馬鹿にされたように感じ、私は萎縮してしまった。自分を馬鹿にするような店では買い物をしなければいいのに、勧められるままに高い買い物をしてしまった。

もしかしたら、馬鹿にしたのではなかったのかもしれないか゜、親切ではなかっただろう。なぜなら、店の人がイチオシで勧めたのが目が飛び出るほど高かったから。

今思い出しても悔しい。どんな品物でも売ってみせるというような強気を恐ろしく思うし、高くて買えないと言えなかった自分の弱気にも後悔を感じる。


この失敗から、買い物をする時には予算を言うようになった。

あるデパートでブラウスを買おうとしたとき、三千円以内のを探していると言ったところ、そういう商品はないと言い切られたことがあった。冷ややかな接客だと思った私は、二度とそのデパートには行かなくなった。

店で働く人に対して、私は、客思いではないという悪いレッテルを貼ってしまっているようだ。高い品物を売りつける悪人だと思うくらいに。


資生堂にも同じような印象を抱いていた。千円台の物を買いたい私は、資生堂の客とは思われていないと思っていた。

今回の買い物では、チープなアクアレーベルを提案してもらえ、客の一人と扱われたと感じた。


・・・わたむし(妻)