終わりの始まり・・・

この一週間、体がだるくて食欲がない日が続いた。

体調の赤信号だ。

しかし、熱があるわけでもないので、生活のリズムを崩さないように

いつものように「うきはアリーナ」へ通っている。


数日前、無心に泳ぐこともできず、早めにきりあげて帰った。

フロントでキーを返す時に、

「今日は早いんですね。」と若い女性スタッフに声をかけられた。

この人は、いつもの私の状態を知っていて、いつもと違うと感じて言葉に表したんだな。

私は、言葉を返せなかったけれど、とてもありがたく感じた。

機械的でない気遣いの言葉を受けるのは、とてもありがたいことだ。



私はスタッフとほとんど雑談しないので、体調の話もしない。

多分、その女性スタッフは、私の体調不良に気づいたのではないだろう。

利用時間の短さに気づいたんだ。

私は、いつもと違う様子なのだと分かってもらえたことを

言葉に表しようもないほど嬉しく思い、スタッフに親しみを感じた。


うきはアリーナのスタッフは、ほとんどの人がアルバイトだ。

私に気遣いの言葉をかけてくれた彼女もそうだろう。

4月に採用された人の中には、辞めた人が何人かいて顔ぶれが変わっている。

気づいたら居なくなっていた。


私は、彼女に親しみを感じると同時に、

「終わりの始まりだ」と感じた。胸が少し痛む。

なぜだか分からないけれど、

私は人に親しみを感じるときに「終わりの始まりだ」と感じる。

会えなくなるときの寂しさを先取りして感じる。

親しみは寂しさとセットになっている。



数日前の出来事は、ずっと覚えていよう。

そして、彼女と会えるチェックイン、チェックアウトという数十秒の時間を大切にしよう。


・・・わたむし(妻)