水泳教室について思うこと・・・

「うきはアリーナ」を利用し始めたころ、私は5分間だけプールに入って歩いた。

水圧が強く感じられ、まるで緩めのゼリーの中を歩いているように水の抵抗を感じた。

初日は5分、次に10分と5分ずつ運動時間を延ばしていった。

読書が好きな私は、水中運動と水泳についての本も読み、本を参考にして水泳を始めた。

25メートルを泳ぐことができても、息継ぎが苦しく感じられた。テーマは息継ぎになった。

なかなか上手くできなくても、継続して練習しているうちに、息を吸わなくても自然と息が入ってくるようになった。すると水泳は楽しく感じられた。が、楽しさを味わうと、急に気分が沈みこむようになった。

厳しく育てられた私には、楽しんではならないという呪いのようなメッセージが染み付いていて、息継ぎができるようになってから楽しさと気分の沈みこみを味わうようになり、

それまではカウンセリングだけの治療だったのに、寝る前に安定剤を飲まねばならないようになった。

薬を飲めば眠れるのだし、「楽しんではならない」という悪いルールを書き換えれば良いのだと気分を立て直して、私は、思い切って「初級水泳」「目指せ4泳法」の2つの教室に同時に入った。

ほとんどおしゃべりしないで、黙々と泳ぎに集中した。

「水中運動」のレッスンにも参加してみたが、レッスン時に聞こえる声に反応してフラッシュバックが起こって辛いので参加を止めた。

水泳教室に参加して感じたことや分かったことをノートに記録して、私は治療に活かした。


レーニングルームで運動して感じたこともノートに記録して治療に活かした。

記録によって分かったことは、私の記憶パターンがイメージ優位で、写真や映像のように思い返すということだ。

それが分かってからは、絵日記のように記録した。

振り返ってみると、水泳教室は治療の場であったかもしれない。



「目指せ4泳法」の先生は、私の主治医と年齢が近く、話し方が似ていて、外見も似ていた。

何となく話しかけやすかった。だから、私は自分の病気について打ち明けてみた。

話せないと思っていたのに話せた。心がとても軽くなった。主治医との出会いも偶然のものだったし、

水泳の先生との出会いもそうだが、信頼できる人を重ねることができる人がプールにもいたのは、

本当にありがたく思った。他のプールスタッフにも困っていることを相談するようになった。

泳ぎを教えてもらっただけでなく、健康上の話をきいてもらった。

とても良い経験をさせてもらったと感謝している。